Sore o Nasumono (Translation): Difference between revisions
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従来の技術で造られたにもかかわらず、そのEVAは明らかに違っていた。培養開始直後からそれは、まわりを強力に精神汚染し始めた。それも、ある指向性をもたせて......。ある種の洗脳のようなその汚染に、人々は | 従来の技術で造られたにもかかわらず、そのEVAは明らかに違っていた。培養開始直後からそれは、まわりを強力に精神汚染し始めた。それも、ある指向性をもたせて......。ある種の洗脳のようなその汚染に、人々は | ||
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EVAは戦闘時に、パイロットが彼女の怒りのイメージに触れるまでは、極めて穏やかで知性的なんだ::。もっとも、思考の組み立て方がまるで違うのか、概念に差がありすぎるのか、何を考えているのかさっぱりわからないけどね」<br> | EVAは戦闘時に、パイロットが彼女の怒りのイメージに触れるまでは、極めて穏やかで知性的なんだ::。もっとも、思考の組み立て方がまるで違うのか、概念に差がありすぎるのか、何を考えているのかさっぱりわからないけどね」<br> | ||
青葉「ただ同じわからないにしても(青葉、体の向きを変えて、施設の外に視線を落とす。炎のラインの向こうの瓦礁の街の中、チラリチラリ人狼の陰が見え | 青葉「ただ同じわからないにしても(青葉、体の向きを変えて、施設の外に視線を落とす。炎のラインの向こうの瓦礁の街の中、チラリチラリ人狼の陰が見え | ||
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る)、連中とはずいぶん違うと思うぜ。何かもっと、こう、途方もなく高度な……なんていうのかな、とにかく凄いことさ(日向のほうを見て)……なんて考えるのは変かな……」<br> | |||
日向「君だけじゃないよ。誰も口にしないだけでね。 | |||
(人狼の街を見て)俺たちは守るべきものをいきなり奪われてしまったんだ。まともなのはこの施設のわずかな人間だけ。装備がなくちゃ外にも出られないし、第一ここの備蓄だっていつまでもつことやら……。でも我々は何かと戦っているという、この災厄を招いた敵の正体すらまだつかめないでいるのにだ。(一息おいて)この街の人聞は正常であるがゆえに病んでいるんだ。だからなんでもいいから希望的なことを探さずにはいられない。EVAの視線の先にみんな未来を見ているよ」<br> | |||
まわりの思いを知ってか知らずか、膜相、主ヲるように立ちつくすEVA。 | |||
プラグ調整室。01のエントリープラグの中に何人ものエンジニアが潜り込み、何かを調べている。<br> | |||
胃カメラのようなファイバースコープで、プラグ内インテリアから引き出した回路基寂の上をなぞっていく。<br> | |||
別の2人のインテリアがプラグ内に持ち込んだパソコンのディスプレーでその拡大図を見ているが、<br> | |||
エンジニアA「ちょっと待った!少し戻して!おい、いまの……」<br> | |||
エンジニアB「ああ、間違いない!(プラグの外へ向かって)赤木博士をここへ!」<br> | |||
ニューロコンピュータ基盤のズーム、ひとつの大きなシナプスを避けるようにして神経索、が絡みついている。<br> | |||
リツコ「ベーシックオーダーのラインをカットしてフィードバック側にリークしてあるのね。本当にEVA自身がやったといえる?第三者に書き換えられた可能性は?」<br> | |||
エンジニアA「どの型の抗体プログラムも防御形態をとった形跡はありません。むろんすべての抗体プログラムをだますことも理論上では可熊ですが、それよりEVA本体より書き換えを自ら意識したと見られる変則的な揺らぎがレコーダーにありました。記録時刻は1か月前の.……例のEVA01ディープステージ中アクシデント時のもので……」<br> | |||
リツコはファイバースコープを使かずにプラグ内のシー卜とシリンダーの狭い空間に自ら潜り込み、小さなライト付きルーぺで問題質所を見ていたが、最後のことばで少し屑を寄せる。<br> | |||
エンジニアA(続けて)「理由はわかりませんが、原因はあの事故にあるようです」<br> | |||
リツコ「疑う余地はないようね……問題は……」<br> | |||
プラグの外に出ようとして体をずらしてくるリツコ。すかさずエンジニアのひとりが予を差し出し、引っ張り出されるリツコ。<br> | |||
リツコ「ありがと……問題はこの回路変更でどんな影響がパイロットに出るかだけれど」<br> | |||
外のフロアに足を降ろすと同時にエンジニア一同を見渡して、<br> | |||
リツコ「みんなの意見は?」<br> | |||
深刻な顔のエンジニアたち。<br> | |||
エンジニアC「影響、ところじゃないはずです」<br> | |||
過去の戦闘シーンのリフレーン。<br> | |||
裸の(イメージの)シンジがパンチを繰り出す。<br> | |||
シンジ「うおおッ!」<br> | |||
同じ動きをするEVAに像がダブってゆく、いまシンシはEVAそのものと化している。これがディープステージ。<br> | |||
戦車のようなロボットにパンチを入れるが、ATフィールドと相手のシールドが衝突して拳は届いていない。<br> | |||
シンジ「01よりコントロール!こいつ、思ったより固いよ!」<br> | |||
エントリープラグ内、シンジの声はしているがシンジはしゃべっていない。シートの上のシンジの自のあたりには、パイザーより不思議なパターンて明滅する光が投げかけられており、シンジ自身は薄日を聞いて眠っているようにぐったりしている。<br> | |||
ミサト「単原子リボンの使用を許可します」<br> | |||
シンジ「00のバックアップは!?綾波はまだ作戦位置に着いてないの!?」<br> | |||
(声はだんだん小さくなってゆき、エンジニアCの声がかぶってくる)<br> | |||
エンジニアC「通常シンクロならともかく、スーパーシンクロナイザを使用してのディープステージでは、パイロットの意識は完全にEVAに移っています。パイロットは、まるでEVAになったように感じるでしよう」<br> | |||
エンジニアA「しかし、意識が留守になったパイロットの肉体はそのままでは死んでしまう。意識が戻るまでのパイロットの体はEVAが維持管理します」<br> | |||
エンジニアB「この場合、EVAの脳の一部をホストコンピュータ代わりにして利用しているわけであり、要は、パイロットとEVAがお互いの心と体を交換しているような状、況ですが、今回問題なのはベーシックオーダーラインを切られていた結果、命令されるはずの身体管理プログラムではなく、EVAの意識そのものがパイロットの肉体に流れ込んだことが想定されます」<br> | |||
エンジニアD「いや、それはありえないだろう。初期の実験記録を見てもその場合、パイロットは確実に自己崩壊からくる死を迎える。EVAの意識は構造が遠い過ぎて、万が一、シンジ君に流れ込んでいたなら受け止めきれず、彼は生きてはいないはずだ!」<br> | |||
施設の外、ゲー卜の上にアスカがいる。<br> | |||
アスカは砦の中には居場所がないのだ。この世界でさらに重要度を増したEVAのパイロットであるがゆえにポジションこそ変わらなかったものの、ドイツ、ネルフの一件以来、彼女自身はその政治的な策謀をまったく知らなかったにもかかわらず、あらゆる場面で裏 (continues on next page) | |||
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Revision as of 17:46, 21 November 2008
Sore o Nasumono is a collection of concept art by Ikuto Yamashita and Seito Kio, published in 1998. It contains conceptual designs of the Evangelions, the Command Center, the Geofront, Tokyo-3, among others including some non-production illustrations.
Of particular interest are the sections that contain unused TV Series and Movie scenarios.
Neon Genesis Evangelion TV Last Scenario Prot
This is the original text and the English translation of the unused TV Series ending scenario, translation by RockManBalls. This transcript is currently incomplete.
English Translation
It might be surprising given what ultimately resulted, but during the initial development of the Anime series, Supervisor Anno took on something of a passive role, and staff would regularly bounce ideas off of him in order to flesh out the story. As time passed, and I was put in charge, I received an early scenario manuscript by fax. When I went to return the fax, I jotted down some left over ideas just off the top of my head. I still get a good laugh out of it to this day.
Original Japanese
作品の内容からは意外な印象かもしれませんが、庵野監督はアニメ制作の初期段階においては受け身の姿勢をとり、客スタッフにアイデアを出させぶつけ合うことで、話の骨格に肉付けをします。てな経過から、設定担当である私のところにも脚本の初期稿がファックスでやってきます。それについて思いついたことは電話で返すのですが、ファックスで返却するとこのように内容が残り、あとから見かえすとなかなか笑えます。
Shin Seiki Evangelion Original Film
This is the original text and the English translation of the unused Movie scenario, translation by RockManBalls. This transcript is currently incomplete.
English Translation
Page74
Shin Seiki Evangelion Original Film Novel
"The Long-Awaited People."
[Translator's Notes: "Gekijouban shousetsu," meaning the book based on the movie that was never made.]
During the development of the film, Yamashita, being asked to submit ideas, thought of an original story he'd conceived mid-way through the television show. Created in collaboration with Kio [omitted]*, the utterly ridiculous work was eventually presented to Supervisor Anno. Intended to be a direct sequel, it includes the content and all-star cast of the EVA television show.
[*Translator's Notes: As I know it, "氏宅" is a placeholder for someone who doesn't want to give their name, usually their surname. Like "Takashi S氏宅." ]
The last Angel had been defeated. Having just confronted the Angel threat, humanity began to wield EVA against EVA. As this abuse of EVA technology continued, an enormous conflict erupted. This is the era in which our story begins.
Page 75
During this conflict, NERV General Headquarters' Special Forces Division, along with EVA 01, attacked NERV's Euro-Germany Branch. Having confirmed the existence of "that," EVA 01 expanded its AT-Field, and NERV completely destroyed the facility with a neutron bomb. The "that" they were looking for was the Sinking-Type Equipment Universal Invasion Gun*** (Field Sinker), code-named the "Spine of the Death God." This new type of corrosive AT-Field worked by ways of a guaranteed-to-hit heavy particle bullet, which, when used against enemies with current AT-Field capacity, would almost always find its target with terrible speed. At the same time as construction of this secret weapon was underway, the Euro-Germany Branch used their political will to secure the return of the newly constructed EVA 02, and in a single move, NERV Germany hid EVA 02 and the "Spine of the Death God" in accordance with their master plan. Before their troublesome dealings could be discovered by the international community, they were ultimately stopped by the NERV organization proper. Although NERV's Euro-Germany Branch has since been dismantled, as well as their brilliant achievements, including EVA 02, this incident would serve as a catalyst, forever linking EVA technology to global military strategy. However, this turmoil would serve only as a small part of a greater disaster.
How will these mysteries come to light?
Will they gather the technological strength they need?
Now, all is but a mystery...
However, those humanoid mechs have been built.
Humanity's creations.
But those creations are EVA.
Thus far, EVA has proved to be distinctly different, continually defying current technology. Ever since the very beginnings of civilization, a powerful mental contamination had begun. Humanity had always been set in a certain direction......
A contamination not unlike brainwashing--
Original Japanese
Page 74
「新世紀エヴァンゲリオン」劇場版オリジナル小説
"彼方の待ち人"
作・山下いくと
劇場版制作にあたり、例によってアイデア提出を求められた山下が、テレビ版中盤あたりに思いついたオリジナルの話。きお氏宅で彼とともに、あーだこーだムダな話してつくったものを、庵野監督に見せることにしました。テレビ版EVA後日談というよりは、オールスターキャストショー的な内容にしています。
最終使徒は撃退された。EVAをはさんで使徒と対峙していた人類は、そのとき初めてEVAそのものと向き合うことになる。やがて始まったのはEVAに関する技術の乱用、そしてその争奪戦であった。これはそんな時代を起点にして始まる話。
Page 75
その日、ネルフ総括本部特殊部隊はEVA01とともにユーロドイツネルフ支局を急襲、゛それ゛を確認、ATフィールド展開の後、中性子爆弾使用によって施設を蒸し焼きにする。それは、沈下型領界侵攻銃(フィールドシンカー)、コード゛死神の背骨゛。新型の浸食性ATフィールドによって、レールがひかれたごとく、絶対の命中を保証された重粒子の弾体は、従来のATフィールドの反発力によってすさまじい速度を与えられて空間を滑り降り、目標に到達する。極秘裏にこれを建造、同時に政治的手腕をもって当支部によって造られたEVA02を取り戻し、EVAさえ一撃で葬れるこの゛死神の背骨゛とEVA02 の2つをこれからの新たな世界ゲームのカードに加えようというドイツネルフのもくろみは、その裏国家間の駆け引きが露見する前に、ネルフという、一団体の中でのゴタゴタとして処理されてしまう。ここにEVA02建造という輝かしい業績を誇るネルフ・ユーロドイツ支部は解体されるのだが、この事件をきっかけに、世界は、EVA技術の有無がその国にとって今後の世界戦略の優秀につながることを重い知らされたのである。しかしこの騒ぎも、これから起こる大災害の前では小さな事件として処理されることとなる。
どうやって機密をもちだしたのだろう
いかにして技術力を集めたのだろう
いまとなってはずべてが謎......
だがその人型は造られた
造ろうとしたのは人間
しかし造らせたのはEVA
従来の技術で造られたにもかかわらず、そのEVAは明らかに違っていた。培養開始直後からそれは、まわりを強力に精神汚染し始めた。それも、ある指向性をもたせて......。ある種の洗脳のようなその汚染に、人々は
Page 76
だんだん侵されていく。
やがてその人型にかかわるスタッフは、施設は、都市は、国家は、ただひとつの目的のために動きだす。
隷従する人々に自らの身体を造らせるEVA。
″フオウチュン〟その名は自らの誇示か、それとも自らの存在に近い意味をもつのか、いまとなってはどこの国がフオウチュンを造ったのか、わからないし意味もない。
なぜなら、自らを造らせたその国をフオウチユンは焼きはらってしまったから……。
そしてその日からである、世界現伎の精神汚染が始まったのは。
荒廃した都市の中を、人の形をした獣が駆けている。ことばを話さず、視線とその力のみで'わずかにナワパリと種族繁栄のためにコミュニケートし、道具を使わず4本足で駆けている。
彼らは人狼(ヒトオオカミ)、精神汚染を受けるまではれっきとした人問、て、我々が一言うところの文化的な生活を送っていた人々のなれの果てだ。
精神的な汚染は、やがて器質的異常を引き起こして、短期間のうちに身体そのものが、まるでおとぎ話の狼人間(ワーウルフ)のように変化してしまっている。そしてこの異常はこの地区に限ったことではない。いまや地球上全体で、人間にのみ起こっている共通で、かつ破壊的な現状なのである。
地球上て最大の勢力を誇っているのは、あいかわらず人間という構図に変化はないが、知的生命体という意味での人類は、これから描く極めてわずかな人々を除いて事実上、絶滅したと考えるほうが早く、残った人々も、日々精神汚染の恐怖におびえ、まるで先の見えない、異常な精神下の生活を送っている。
自らより破壊した都市、ピルというピルの瓦礁のてっぺんに人狼たちが立っている。
一斉に月に向かって吠える人狼。
画面をパンしていくと、底辺が三角形のピラミッドをいくつも合わせたような建造物がある。この完全な幾何品子形態の建物は、まわりの廃虚の中ではかえって異彩を放っており、炎をめぐらせて人狼の侵入を抑えている。
これが、ネルフ中央実験都市。こんどこそ掛値なし、言葉どおりのか人類最後の砦。となってしまった。この都市には、それを支えるささやかなジャミング技術がある。すなわち、建物全体の形状と精神汚染波を撹乱する干渉波発振。この2つによって、かろうじて地球全土に降りそそぐ精神汚染から施設内の人聞を守っているのだが、その技術自体はもともと施設内においてEVAの運用実験時の精神災害(サイコロジカル・ハザード)を想定してのものであり、早い話、ここに勤務していた運のいい人間だけが精神汚染を免れたわけである。
施設中央に、すり鉢状にえぐられた鏡張りの巨大なホlルがあり、EVA01が立ちつくしている。
背中に取り付けられた羽か尻尾のような位相差発電ユニットにより、EVA01はパイロットも乗せずに自らの青山志、でここにたたずんでおり、このリフレクタ1ホールはかつては軌道上監視システムのレシーバーだったのが、いまではEVAのプライベートルlムと化している。
何かを聞いているように星空を見上げているEVA01。
施設外壁上の屋上回廊から日向と青葉がEVAを見ている。
青葉「まるで詩人か哲学者ってところだな」
日向「何かを考えているつてのは本当らしいよ。
EVAは戦闘時に、パイロットが彼女の怒りのイメージに触れるまでは、極めて穏やかで知性的なんだ::。もっとも、思考の組み立て方がまるで違うのか、概念に差がありすぎるのか、何を考えているのかさっぱりわからないけどね」
青葉「ただ同じわからないにしても(青葉、体の向きを変えて、施設の外に視線を落とす。炎のラインの向こうの瓦礁の街の中、チラリチラリ人狼の陰が見え
Page 77
る)、連中とはずいぶん違うと思うぜ。何かもっと、こう、途方もなく高度な……なんていうのかな、とにかく凄いことさ(日向のほうを見て)……なんて考えるのは変かな……」
日向「君だけじゃないよ。誰も口にしないだけでね。
(人狼の街を見て)俺たちは守るべきものをいきなり奪われてしまったんだ。まともなのはこの施設のわずかな人間だけ。装備がなくちゃ外にも出られないし、第一ここの備蓄だっていつまでもつことやら……。でも我々は何かと戦っているという、この災厄を招いた敵の正体すらまだつかめないでいるのにだ。(一息おいて)この街の人聞は正常であるがゆえに病んでいるんだ。だからなんでもいいから希望的なことを探さずにはいられない。EVAの視線の先にみんな未来を見ているよ」
まわりの思いを知ってか知らずか、膜相、主ヲるように立ちつくすEVA。
プラグ調整室。01のエントリープラグの中に何人ものエンジニアが潜り込み、何かを調べている。
胃カメラのようなファイバースコープで、プラグ内インテリアから引き出した回路基寂の上をなぞっていく。
別の2人のインテリアがプラグ内に持ち込んだパソコンのディスプレーでその拡大図を見ているが、
エンジニアA「ちょっと待った!少し戻して!おい、いまの……」
エンジニアB「ああ、間違いない!(プラグの外へ向かって)赤木博士をここへ!」
ニューロコンピュータ基盤のズーム、ひとつの大きなシナプスを避けるようにして神経索、が絡みついている。
リツコ「ベーシックオーダーのラインをカットしてフィードバック側にリークしてあるのね。本当にEVA自身がやったといえる?第三者に書き換えられた可能性は?」
エンジニアA「どの型の抗体プログラムも防御形態をとった形跡はありません。むろんすべての抗体プログラムをだますことも理論上では可熊ですが、それよりEVA本体より書き換えを自ら意識したと見られる変則的な揺らぎがレコーダーにありました。記録時刻は1か月前の.……例のEVA01ディープステージ中アクシデント時のもので……」
リツコはファイバースコープを使かずにプラグ内のシー卜とシリンダーの狭い空間に自ら潜り込み、小さなライト付きルーぺで問題質所を見ていたが、最後のことばで少し屑を寄せる。
エンジニアA(続けて)「理由はわかりませんが、原因はあの事故にあるようです」
リツコ「疑う余地はないようね……問題は……」
プラグの外に出ようとして体をずらしてくるリツコ。すかさずエンジニアのひとりが予を差し出し、引っ張り出されるリツコ。
リツコ「ありがと……問題はこの回路変更でどんな影響がパイロットに出るかだけれど」
外のフロアに足を降ろすと同時にエンジニア一同を見渡して、
リツコ「みんなの意見は?」
深刻な顔のエンジニアたち。
エンジニアC「影響、ところじゃないはずです」
過去の戦闘シーンのリフレーン。
裸の(イメージの)シンジがパンチを繰り出す。
シンジ「うおおッ!」
同じ動きをするEVAに像がダブってゆく、いまシンシはEVAそのものと化している。これがディープステージ。
戦車のようなロボットにパンチを入れるが、ATフィールドと相手のシールドが衝突して拳は届いていない。
シンジ「01よりコントロール!こいつ、思ったより固いよ!」
エントリープラグ内、シンジの声はしているがシンジはしゃべっていない。シートの上のシンジの自のあたりには、パイザーより不思議なパターンて明滅する光が投げかけられており、シンジ自身は薄日を聞いて眠っているようにぐったりしている。
ミサト「単原子リボンの使用を許可します」
シンジ「00のバックアップは!?綾波はまだ作戦位置に着いてないの!?」
(声はだんだん小さくなってゆき、エンジニアCの声がかぶってくる)
エンジニアC「通常シンクロならともかく、スーパーシンクロナイザを使用してのディープステージでは、パイロットの意識は完全にEVAに移っています。パイロットは、まるでEVAになったように感じるでしよう」
エンジニアA「しかし、意識が留守になったパイロットの肉体はそのままでは死んでしまう。意識が戻るまでのパイロットの体はEVAが維持管理します」
エンジニアB「この場合、EVAの脳の一部をホストコンピュータ代わりにして利用しているわけであり、要は、パイロットとEVAがお互いの心と体を交換しているような状、況ですが、今回問題なのはベーシックオーダーラインを切られていた結果、命令されるはずの身体管理プログラムではなく、EVAの意識そのものがパイロットの肉体に流れ込んだことが想定されます」
エンジニアD「いや、それはありえないだろう。初期の実験記録を見てもその場合、パイロットは確実に自己崩壊からくる死を迎える。EVAの意識は構造が遠い過ぎて、万が一、シンジ君に流れ込んでいたなら受け止めきれず、彼は生きてはいないはずだ!」
施設の外、ゲー卜の上にアスカがいる。
アスカは砦の中には居場所がないのだ。この世界でさらに重要度を増したEVAのパイロットであるがゆえにポジションこそ変わらなかったものの、ドイツ、ネルフの一件以来、彼女自身はその政治的な策謀をまったく知らなかったにもかかわらず、あらゆる場面で裏 (continues on next page)